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記事 · 事業承継 2026-09-14

事業承継における株価算定の実務ポイント

純資産価額法と類似業種比準価額法、どちらを使うべきか
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Amber Ridge Partners 編集
事務所からの解説
2026-09-14
財務書類の上に置かれた電卓、ペン、虫眼鏡のクローズアップ

事業承継を検討し始めた経営者から「株価算定はどの方法でやればいいのか」という質問をよく受けます。税務上の評価方法は国税庁の財産評価基本通達で定められていますが、実務では複数の方法を組み合わせることが多く、どれを選ぶかで算定結果が大きく変わることがあります。

二つの主要な評価方法の違い

純資産価額法は、会社の資産から負債を差し引いた純資産をベースに株価を算定します。帳簿価額ではなく相続税評価額を使うため、不動産や有価証券の含み損益が反映されます。資産が多い会社、特に不動産を多く保有する製造業や建設業では、この方法で算定すると株価が高くなりやすい傾向があります。

類似業種比準価額法は、上場している同業種の株価を参考に、配当・利益・純資産の三要素を比較して算定します。収益力が高い会社では純資産価額法より低い評価になることが多く、承継コストを抑えたい場合に有利に働くことがあります。

どちらを選ぶかの判断基準

中小企業の場合、会社の規模(大会社・中会社・小会社)によって、二つの方法の併用割合が税務上定められています。ただし、これはあくまで税務上の評価であり、当事者間の売買価格や贈与価格の交渉においては、別途DCF法(割引キャッシュフロー法)や第三者評価を用いることもあります。

実務上は、税務上の評価額と経済的な実態価値が乖離するケースが少なくありません。特に収益力が高い会社では、税務上の評価額が実態より低くなることがあり、後継者側にとって有利な条件になる場合があります。

算定前に整理しておくべき論点

株価算定を始める前に、不動産の含み損益・役員報酬の水準・少数株主の存在という三点を確認しておくことを勧めています。これらを整理しないまま算定を進めると、後から数字を修正する必要が生じ、交渉が振り出しに戻ることがあります。

また、算定結果は一つの数字ではなく、前提条件によって変わる「幅」として提示することが重要です。先代と後継者の双方が納得できる着地点を見つけるためには、幅の中でどの数字を使うかを丁寧に議論する必要があります。

税理士との役割分担

株価算定は税理士の業務領域と重なる部分がありますが、当事務所では財務分析と交渉支援を担当し、税務申告や贈与税の計算は税理士に依頼する形を取っています。専門家の役割を明確にすることで、クライアントが同じ説明を複数の専門家に繰り返す手間を省けます。

株価算定は、事業承継の入口に過ぎません。算定結果をどう使って合意形成を進めるかが、実務の本題です。

#事業承継#株価算定#財務

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